おおたかの森ではこの数年、本来は同じ場所に営巣するオオタカの営巣地が毎年移動しているほか、フクロウも減少している。これは緑地が減少し自然環境が悪化している証だろう。
日本で環境問題と言えば温暖化やCO2の削減を言うが、世界は違う。CO2の削減と生物多様性の二つが両輪になっている。生物多様性とは、今ある緑地た湿地を守るという取り組みで、世界各国ではこのための予算を計上しているが、日本ではこの予算を持っていない。
来秋、名古屋で「生物多様性条約に関する国際会議」が開催される。190カ国の代表が出席し、自然保護の現状が報告される。これに合わせて、主催国として日本は国家予算の1%を生物多様性に投入するなど緑地や湿地を守る指針を作成して欲しい
また、道路開発と環境問題は大きくリンクしている。例えば、幅30bの新しい道路ができれば、その両側の沿道幅50bがされに開発される。新設道路が増えれば緑地も減少するわけだ。これにより、沿道に新しい店舗が開店するため駅前の商店街はシャッター通りとなり、街が崩壊する。街が崩壊すれば、街の文化も崩壊する。そして自然が破壊されれば次世代の子どもたちが困る結果になる。
総選挙でどこが政権を取るか分からないが、今度の首相は一度、おおたかの森に足を運び、子どもたちと保全活動をやってみてほしい。(毛利伸一)
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