くぬぎ山
1.7倍のダイオキシン検出
東洋大助教授が指摘、県調査
2005年11月10日(木)読売新聞より転載
 県は9日、三芳町と所沢、狭山、川越市にまたがる平地林の「くぬぎ山」の土壌から、最高で環境基準の1.7倍のダイオキシンが検出されたと発表した。
 東洋大学工学部(川越市)の杉浦公昭助教授が3月に独自調査を実施。その結果、土壌汚染が確認され、県が8月、公定法に基づき調査していた。
 調査結果によると、現場周辺は、産廃中間処理業の許可業者が1998年9月まで、廃プラスチックなどの焼却炉を設置していた。焼却炉の敷地周辺8地点のうち2地点から基準値を上回るダイオキシンが検出された。
 また、敷地周辺14地点のうち6地点では、土壌汚染対策法に基づく含有量基準を超える鉛が検出された。最高は、基準の3.6倍だった。県は、炉を設置していた都内の業者に今後、汚染された土壌を撤去するよう求めるとともに、鉛汚染がないか追加調査も行う。
 県は、杉浦助教授が指摘するまで基準オーバーの土壌汚染を把握できなかったことについて、「焼却場跡地の土壌調査は法律などで実施が求められていない」(水環境課)と説明している。
 杉浦助教授は、「産廃焼却処理場があった近傍のダイオキシン類調査を全県的に進めるべきだ」と話している。「くぬぎ山」は、かつて廃棄物処理施設が集中したことで、”産廃銀座”とも呼ばれた場所。
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